天才な彼を笑わす方法
「…あの!
言いたいことがあったら、言ってくれませんか?」
「………」
「話さないと、何言いたいかわからないんですけど?」
あーめんどくさい!!
私のイラつき度もマックスに近づいてきた頃。
「せんぱ~~い!」
どこからか明るい声が聞こえた。
てか先輩?
この先輩なの?
「……ウサギ」
ずっと話さぬまま私の行く手を阻んでいた彼が、ふっと呟く。
かなり低い、良い声をしていた。
「ウサギじゃないです、宇佐美(うさみ)です~!」
タッと私たちの隣に立ったのは、彼に勝たず劣らずのイケメンの少年だった。
茶色い癖のあるくるくるした髪。
パッチリとした二重の瞳。
整った顔立ち。
…女の子としてもいけそうなほど、華奢な体つき。
可愛い~!!