天才な彼を笑わす方法






「ママに言うわよっ!?」

「ああ良いさ言っても。
借金はもう返せたからな」

「はっ?
あんなにあったのに!?」

「確かにあれだけの額、払えない。
だが、ワタシからもうママに言ったんだ。
だから、桜がワタシを脅す理由など、ないのだ」

「ママに言ったの!?」

「ああ。
桜が瀬川くんの家を探しに行ったときにな。
確かに怒っていたが、最終的には返済を手伝うと言ってくれたよ。
ワタシも懲りて、ギャンブルはもうしない」

「……」

「桜。
良い加減に授業に出なさい。
ワタシは桜の父親だが、理事長でもある。
いつまでも先生たちに頭を下げて、桜の出席状態をフォローするのは大変なんだ」

「……」




あたしは無言で理事長室を出た。




…ウザい。

誰もかれも。

皆皆、あたしの邪魔して。

皆、使える道具だったのに。




…なーくん。

あたしはなーくんが好きだから。

愛しているから。




アタシノ モノ ニ

ナッテネ……?







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