天才な彼を笑わす方法
6~笑顔は誰かを救う~
☆カナコside☆
あれから。
…桜ちゃんを見なくなった。
「瀬川。
桜ちゃん最近元気?」
「………」
「瀬川?」
「………」
本から目を離さず、瀬川はとことん私を無視。
「…瀬川?」
「知らねぇよあんな奴」
盛大な溜息を吐きながら、瀬川は言い放つ。
そして本を乱暴に閉じると、教室を出て行った。
瀬川…?
あんな奴って…。
「カナコちゃん」
「ぅわっ!?」
急いで後ろを振り向く。
いつからいたのか、
そこには桜ちゃんがいた。