天才な彼を笑わす方法
☆☆☆
連れて来られたのは、埃っぽい場所。
どこ…?
「桜ちゃん、離して…」
私の腕や足は、ロープで動けなくされている。
目の前の桜ちゃんは、スマホをいじり、私の話しなんて聞かない。
「桜ちゃん…何でこんなことするの?」
「……」
「私たち、友達でしょ?」
桜ちゃんは私を見て、鼻で笑った。
馬鹿にしたような笑顔だった。
「友達?
そんなこと思っているの、カナコちゃんだけだよ。
あたしはカナコちゃんを友達だなんて思わないわ。
あたしにとって、人はなーくん以外皆、道具なの。
なーくん以外は皆イラナイのよ」
道具…。
友達だと思っていたのは…私だけ。
「…ハハッ。
そんな寂しいこと…言わないでほしいな…」
「寂しい?
人って皆、そんなモノだと思うわよ」
「ふざけるなっ!!」
私は力の限り叫んだ。