天才な彼を笑わす方法






「馬鹿じゃないの桜ちゃん!
何でそんなこと、平気で言えるわけ?

確かに人は人をすぐに裏切るかもしれない。
常に笑顔でいても、裏で何を考えているかわからない。

でも、そんな人たちでも、良心は必ず存在する!
途中で捨てたとしても、必ずまた蘇る!
悪い心は消え去ったとしても、良心が消えることは、あり得ないんだから!

桜ちゃんが私を道具だイラナイ存在だって言っても良いわ。
でも、私は桜ちゃんの友達でいたいの!」




さすがに叫んで長文だからか、息はもう上がっていた。




「何そのキレイゴトは!
そんなの言ってんの、今の時代アンタだけだし!」

「私だけで構わないわっ!」

「何で開き直ってんのよ…」



桜ちゃんは呆れていた。




「大体、桜ちゃん私のこと友達じゃないって言うけどね。
瀬川はどうなのよ?」

「なーくんは…なーくんだけは…信じるわ。
なーくんが…あたしを信じてくれたから…」

「他の人は桜ちゃんを信じてくれなかったの?」

「そうよ」

「ご両親も?」

「ええ。
あたしが信じるのはなーくんだけ」

「…何でそこまで、瀬川を信じているの?」

「…何だ、カナコちゃん知らないんだ」




そう言い、桜ちゃんは、膝までのソックスを下げた。








え?










< 94 / 190 >

この作品をシェア

pagetop