天才な彼を笑わす方法
桜ちゃんの綺麗な足には似合わない、
鋭い切り傷…。
「何…それ……」
「なーくんがやったのよ?」
瀬川が…?
「この傷のお蔭で、あたしはなーくんと知り合って、なーくんの恋人になったの」
「どうしたの…それ」
「事故よ事故。些細な事故」
溜息を吐いた桜ちゃん。
「暇だから話してあげるわ。
どうせこのままあたしたち死ぬんだもの」
「は?」
死ぬ…?
「気が付かなかったの?
床、濡れているでしょ?」
「確かに…」
水だと思っていたけど…。
水にしては、においが変。
「この液体、水じゃないわ。
灯油よ」
えぇ!?