私が恋した最強ヤンキー様
「なんで‥私なんか‥」
「聞こえねー。なに?」
耳悪いのかな。もう。
「だからっ‼︎
どうして私なんですか‥っ?
私可愛くもなければ美人でもないし‥っ」
普通と言われ育ってきた。
何もかもが普通だった。
勉強も運動も顔もスタイルも。全部。
「だから?」
だからって‥‥。
「だから、私なんかよりもっといい人なんてたくさんいますよね‥っ⁇」
「うーん、まぁ、顔とかスタイルならお前以上なんてゴロゴロいるな」
真顔で答える煌我さん。
‥‥そりゃあ、そうでしょうよ。
「じゃあ‥‥っ」
それなのに、キスしたんだ。
別に本気で私のこと好きでいて欲しかったわけじゃない。
けど、そんな人にファーストキスを奪われたんだと思うと悲しいよ。
悔しいくてたまらない。
「けど、俺はお前がいい。
俺ん中では梓が1番可愛い。
それだけのことだ」
な‥‥っ
真顔で言われると、照れてしまう。
冗談かもしれない。
けど、恋愛に免疫がない私を赤くさせるには簡単だった。
「梓顔真っ赤。
俺のこと少しは意識してくれたんだ」
少しニヤッと笑い煌我さんは言う。
「ち、違います‥‥っ」
「はいはい。
じゃあ、とりあえず俺の電話番号教えとくから俺に会いたいって思ったらいつでも電話してなー」
メモ帳用紙を私に握らせる。
「会いたいとか思わないです」
「はは、ひっでーな。
まぁ、いいよ今はそれで。」
今は‥‥って。
本当に自意識過剰なんだな。
「じゃあ、私帰ります」
「俺、送っていってやるよ」
「いえ、大丈夫です」
回れ右をしてお家へ帰った。