私が恋した最強ヤンキー様



「梓ーっ‼︎
おはよっ」


「佳菜美(かなみ)‼︎
おはよ」


佳菜美とは幼稚園の頃からの親友。

って言っても、

佳菜美はお父さんの仕事関係で小学校を卒業すると同時に引っ越してしまって戻ってきたのは高校生になってからなんだけどねっ。




「梓ちゃーんっ!
おはよぉ〜。」


「あ‥‥おはよう」


いかにも女の子って感じの声で私に挨拶をしてきたこの子は望月絵理香ちゃん。

正直、仲が良いわけではない。


多分、おそらく、私のお兄ちゃん目当てだ。


お兄ちゃんのことよく聞いてくるし。


お兄ちゃんは結構昔からあの整った顔のおかげでよくモテてたし、ラブレター渡してって頼まれたこともよくある。


絵理香ちゃんのお姉ちゃんが私のお兄ちゃんと同い年の1つ上で、

お兄ちゃんと学校も一緒らしい。



だから全く似てない私を妹だと知っているんだと思う。



絵理香ちゃんが去った後で


「梓、あの子と仲良かったっけ?」


佳菜美にそう聞かれる。



「いや、あんまり‥‥?
多分お兄ちゃん目当てだと思う」


「あー、梓のお兄ちゃんイケメンだしねっ」


「‥‥はは」


まあ確かにイケメンだよ。うん。
本当に血が繋がってるのかっていうくらい。



「余計なお世話かもしれないけど、絵理香ちゃん?だっけ?あんまりいい噂聞かないから気をつけなよ〜」




確かに絵理香ちゃんはいい噂を聞かない。


狙ってる男のためなら手段を選ばないとか。


まあ、私の場合お兄ちゃんだし、なにかされることはなさそうだけど‥‥。


深入りするのはやめとこう。うん。



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