君がいないと嫌なんだ
家につくと箱をすぐに傾けて桜文鳥をだした。

餌をあげて、姉が抱き癖がついたらいかんと騒ぐので
(あとで自分以外になつくといやなので嫉妬からの発言だといってた)、
新聞をひきつめた透明なプラスチックの容器に入れて、
その容器にほっかいろをはり段ボールに入れた。

桜文鳥さんは寂しがって激しく鳴いていた。
移動のストレスとかもあるから暗い場所でじっとさせとくことも必要かと思ったけど
いきなりほかの仲間?兄弟?から引き離されて、不安だったんだろう。

手のひらで包むようにもってあげると、嬉しそうにじっとしていた。
ついでに、結構文鳥さん大きかったので、プラスチックの容器+段ボールに入れてた時
振りかえると段ボールの取っ手部分から顔をだしていたずらっこの笑顔をうかべてたことも
すごいインパクトがあって覚えてる。


目の錯覚じゃないかと思われると思うけど、かくれんぼしてる人を見つけた
無邪気な子供みたいに笑っていたのだ。

あと、飛べたこともうれしかったのかもしれない。

手の上に載せて、頬を優しく毛づくろいしてあげると
目を細めて気持ちよさそうにしていたこともよく覚えている。

さし餌は私がするから朝起こしてといったのに、
こっそりと早朝母親が私を出し抜いて、桜文鳥さんに餌をあげていたのもいい思い出だ。

でも、こんなゆったりした時間は長く続かなかった。

< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop