至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「あの、聞きたいことがあるんです」


テルさんの手が止まる。



聞きたいことは色々ある。


お姉ちゃんのことも聞きたいけど。



「あの……。凌牙は、何の薬を飲んでるんですか?」



……まだ、聞く勇気はなかった。




カップに口をつけていたテルさんが、そのまま目線だけあたしに注ぐ。


明らかに、触れてはいけない領域だったことには間違いなさそう。


「凌牙は、なんて?」


「……前に聞いたときは、腹痛の薬って言ってました」


「だったら、それでいいだろ」


テルさんは至って淡々と言い、コーヒーと共に用意していた雑誌に目を落とす。
< 242 / 815 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop