至上最強の総長は私を愛しすぎている。～DARK NIGHT～ Ⅱ

ヤクザの世界に生きる男だとしても、人間としての感情はもちろんあって。


嬉しかったり悲しかったり。


仮に残忍なことをしているとしても、人を思いやる気持ちだって、人並にはある。


そして、人を愛する気持ちだって……。



「初めて、本気で惚れた相手だった」


噛みしめるようにそう話す相手は、あたしのお姉ちゃん。


「……」


あたしは泡だらけのシンクを見つめながら、黙って耳を傾けた。


「自分の境遇を決して悲観せず、いつも笑顔で、小さい子供たちの面倒を一生懸命見ていた」