至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
唯一あたしに態度を変えない壱冴を、特別な目で見ていたのは確か。


次の春に、双葉園を出て行ってしまうのを淋しいと思い。


それは……心のどこかで壱冴を求めていたかもしれないから……という想いもあって。


それが、凌牙という男と出会い、一緒に暮らしてることを知られたくなかった本当の理由だったのだと、自分の中で自覚している。


特別、壱冴に優しくされたわけでも、これといったキッカケがあるわけじゃない。


ただ、それはあくまでも双葉園という狭い世界だけの話で。


無人島に、男の人と2人きりにされたら、必然的にその人を好きになるだろうという程度の曖昧なもの。




だから……好きだったわけじゃない。
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