至上最強の総長は私を愛しすぎている。～DARK NIGHT～ Ⅱ

「はい、優月ちゃんの分。これは壱冴くんの分ね……」


器用にパンケーキを切り分ける若菜が、あたしたちの前に配る。


それを口に運ぶ壱冴を見ながら、ふと、壱冴もどこかの暴走族に入っているのかと思う。


ジャン高のほとんどは、どこかの暴走族に属してると大翔が言っていた。


壱冴もジャン高だし、あきらかに不良な出で立ち。



……だけど。


そういうグループに属してる様には思えなかった。


壱冴は、孤高という言葉がよく似合う。


良く言えば群れたりなれ合ったりせず、悪く言えば人に関心がない。


そんな壱冴が、暴走族なんていう縦のラインがはっきりした組織に入らない気がして。