至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「七海さんがまともに自分に刺していたら、それこそ神経がやられちゃってたかもしれない……」


ピアノが弾ける弾けないだけじゃなく、今後生活するうえで、指が動かないのはそれ以上の問題のはず。


そう考えると恐ろしく、これが刺さったのがあたしで良かったのだと、本気で思えた。


「オマエって……」


あたしの頭ごと、凌牙が自分の胸に抱えた。


大好きな凌牙の匂いに包まれて、うれしくて鼻の奥がツン…と痛くなる。


「責任取るっつっときながら、情けねえよ……。責任どころか、オマエ一人守れなくて」


あたしは思い切り首を横に振った。


凌牙がこうしてくれるだけで、傷の痛みなんか忘れるくらい、心があったかくなる。
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