至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
それが凌牙の指示だと分かるあたしは、胸を鷲掴みにされるような思いがした。


誰かに攫われたわけでもないのに、柳迅会の人まで巻き込んだ騒動にしてしまったこと。


申し訳ない……。


そして、壱冴にも。




「……ごめん……」


逃げるあたしに手を貸すだなんて、共犯みたいなことをさせて。



結局あたしに逃げ場なんてない。


目の前の一瞬から逃げたところで、どうしようもないんだ。


ずっとここにいるわけにもいかないし、学校にも行かないわけにはいかない。



結局……あたしがどこかへ逃げられるはずなんてないんだ。


双葉園に居た時もそう、今もそう……。
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