至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
どこかへ電話を掛けているのか、部屋からは壱冴の声が聞こえてくる。


この間、逃げることもできたのに、足がすくんだあたしは、壱冴が部屋から出てくるまで、一歩も動けないままで。


「来いよ」


再び顔を見せた壱冴にそう言われるがままに、ふらふらと立ち上がり。


靴を履いて壱冴のあとに続いて外に出ると。


「……っ」


そこにいたのは一人の男。


銀色の頭をした、背の高い男……。


「……誰っ?」


明らかに悪そうな顔をした彼に、足が一歩後退した。


そんなあたしの腕をグッとつかんだ壱冴は。


「じゃあ頼むな」


押し出すようにして、彼の前にあたしを差し出した。
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