至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「分かったら、とっとと降伏しろぉぉぉぉぉっ!!!!」


テルさんが、腹の底から声を出す。


「さもないと、自分の血を見ることになるぞ?」


そう言って壱冴の胸倉を掴むテルさんの言葉は、脅しにも聞こえないくらいの迫力があって。


またあたしは、本物の極道の怖さを知る。



息が上がっている壱冴は、掴みかかられても反撃する力は残っていないようで。


気だるい目を、壱冴に向けるだけ。



脅しじゃなくて、きっとテルさんは壱冴を本気で殴る。


…………。


ギュッと目を瞑ったとき。




「テル」


凌牙が、言葉を挟んだ。
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