至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「凌牙ッ……」


少し焦ったような声がテルさんから放たれたけど、凌牙は壱冴から目を逸らすことなく、手で静止させる。


「……」


険しい顔をしながらもそれ以上の行動を慎むテルさんには、自分の気持ちを押し殺すほどの忠誠心がある。


その想いはさっき聞いたばかりで。


どんなことがあろうとも、凌牙がそう言えばそれに従いたいと思うテルさんの葛藤が垣間見えた。


だけど今の凌牙の力じゃ、ただでさえナイフを持った壱冴に太刀打ち出来るわけない。


「テルさんっ……!」


忠誠心なんてこの際どうでもいいのに。


早く凌牙に手を貸さないと、凌牙がやられちゃうんだよ?


どう見たってこの体じゃ無理でしょ!?
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