世界で一番大嫌いif



私に近付いて来たのは紀田だけだ。

あいつがそばにいる時、私はひとりじゃなくなる。

だけどあいつがいなくなれば、私はまたひとりになってしまう。


ひとりでいることには慣れていたはずなのに

いつの間にか孤独が怖くなっていた。

紀田がいなくなることが嫌だと感じていた。

私の力では壊れない。
私が怒っても離れない。

そんな紀田の存在が、私の中で大きくなっていた。
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