月夜の影3
「にーちゃんっ!!」

ふと後ろを見ると小学生たちが数人いた。

「お、どうした?」

「その子新しい子?」

「そうだ。阿月って言うんだ。仲良くしてやれよ」

阿月はぬいぐるみを抱きしめたまま動かなかった。

「阿月、みんなに挨拶は?」

ぬいぐるみで口元を隠したまま。
ずっと伏目でいた。


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