月夜の影3
「…今日さ、新しい子が来たよ。
阿月って言うんだ。
そいつさ、お前にそっくりなんだ」

「千秋…」

「思い出しちまったよ、お前のこと。
忘れてないけどさ、俺の中でのお前は最後の日に笑ってくれた顔なんだよ、覚えてるのは」

千秋は拳を握りしめた。

「どうすればお前みたいに笑ってくれるかな」

「千秋、そんなこと言われてもルナが困るだけだぞ」

健也は千秋の頭をなでた。

「でも…」

「ルナは、自然と笑うまで待て。って言いそうだし」

< 16 / 83 >

この作品をシェア

pagetop