月夜の影3
食堂で星野は健也に声をかけた。
「阿月ちゃん、どうも学校でも上手くいってないらしいの」
「むしろあの状況で上手くいってるほうが不思議ですよ」
星野はホットココアを入れて健也に渡した。
「クラスに馴染むどころか、どこかからご両親の話が漏れてしまっててね。
それでいじめられてるらしいのよ」
「いじめね…」
「服が汚れてたり、ランドセルが汚れてたり。
だけど、泣かずに帰ってくる。無表情で帰ってくる。
そして部屋をこっそりのぞくとランドセルを静かに拭いてるの」
阿月は感情をまだ表に出していない。
いつかは爆発する。
それか崩れていく。
感情を残すために爆発するか、
感情を殺すために崩れるか。
「阿月ちゃん、どうも学校でも上手くいってないらしいの」
「むしろあの状況で上手くいってるほうが不思議ですよ」
星野はホットココアを入れて健也に渡した。
「クラスに馴染むどころか、どこかからご両親の話が漏れてしまっててね。
それでいじめられてるらしいのよ」
「いじめね…」
「服が汚れてたり、ランドセルが汚れてたり。
だけど、泣かずに帰ってくる。無表情で帰ってくる。
そして部屋をこっそりのぞくとランドセルを静かに拭いてるの」
阿月は感情をまだ表に出していない。
いつかは爆発する。
それか崩れていく。
感情を残すために爆発するか、
感情を殺すために崩れるか。