月夜の影3
今日はやけに寒い。
冷夏と呼んでもいいくらいだ。
星野がホットココアを入れた意味が分かった。


「じゃあ、私部屋で仕事してるから何かあったら呼んでね」

「わかりました」

ふと外を見ると千秋が立っていた。

「千秋…?」


すると千秋は玄関のほうへ何かを持って走ってきた。


健也は玄関のほうへ向かうとそこには千秋と阿月がいた。
阿月は雨に濡れてびしょびしょ。
千秋は毛先までびしょびしょ。

「阿月…!さっきまで部屋に…」

「いくら夏でも今日は寒いから風邪ひくぞ!!」

千秋は蒼い顔をして怒鳴った。
それでも阿月は千秋の顔を見ない。


「とりあえず、シャワー浴びてきな、阿月」


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