月夜の影3
第四章
阿月は落書き帳をパタンと閉じた。

「お話は終わりにしよっか」

健也は微笑んだ。

微笑んでいるが、内心は心配でいっぱいだった。

どうして声を発さないのか。
どうして筆談しかできないのか。
そして、どうしてこの子はこんなにも笑わないのか。

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