月夜の影3
ブランコに乗って小さな声だが歌っている。

「青いめだまの子犬…光のへびのとぐろ…」

「阿月…!」

千秋は思わず声を上げた。

「⁉」

阿月は千秋の声がする方を見て驚いた。
普段、この時間には誰も通らない。
そして何より、千秋が立っている。

千秋は門を飛び越え、阿月の元へ駆けた。

「阿月、お前…声」

「…」

阿月は黙り込んだ。

「かわいい声だな」

「…」

阿月は無言で千秋を見た。

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