極上のスキャンダル!
『……お前ら、早くしねぇと始まるぞ。』
「お前、何で怒んねぇんだよ!!」
何で……?
普通の彼氏だったら、あれなんだよ!とかすぐに電話したりするんだろうな。
『……なんつーか、もう怒りとか通り越して言葉も出ない。
それに今、連絡取ったりして揉めて、土日のコンサートをイライラしながらやるなんてファンの皆に失礼だろ。』
「桜雅………。」
俺は自分に一生懸命そういい聞かせた。
そして、ガムシャラに仕事に没頭した。
そうするしかなかった。
東京に戻ればきっと、いつもの笑顔で
あれは違うよって言ってくれると信じて。