もう一度…






ショックでしたが、これも仕方がない…






彼だって忙しいんだ…





そう自分に言い聞かせ、暇になった私は、出掛けることにしました。







このとき出掛けなければ。






何度思ったでしょうか。








そこでみたのは。










大切そうに女の人の腰に手を回す彼。




嫌がる素振りは見せず、喜んでいる女性。






私といるときは滅多に見せない笑顔の彼。




それに返すように微笑む女性。






女性の耳元で何かを呟く彼。





真っ赤になり、でも嬉しそうな女性。







…それを…見ているだけの私。





「さ…くらい…」





ドサッ







呆然と佇む私を見つけた彼は、とても、焦っているように見えた。








すごく惨めな気持ちになった私は、その場を駆け出しました。






追いかけてきてくれるかな…







と、少しの期待を持ちながら。







ちょっと走って後ろを見ると










…誰もいなかった。







< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop