隣の君
僕の彼女
僕の彼女はいつも笑っていた
何が面白いわけでもなく
いつもいつも
笑っていた
僕はそんな彼女を見るのが大好きだった
高校2年の春、彼女は小さい体を揺らしながら
笑ってこう言った
「人はいつ死ぬか分かなんて分かんないでしょ?もしかしたら明日死んでしまうかもしれない。だから、みんなの中の最後の私がいつも笑顔であってほしいんだ。大好きな人たちの中の最後の私が泣いてるなんて、何だか寂しいじゃない?」
そう言った彼女は一瞬何かをこらえるような顔をしたのを僕は今でも覚えている。
あれから3年
彼女はもう僕の隣にいない
一緒に笑うことも
ケンカをすることも
触れることもできない
遠い空の太陽になってしまった。