隣の君
僕と小夏(こなつ)が出会ったのは
高校の入学式のとき
基本他人に興味のない僕は
適当に自分のクラスを確認し
自分の席に着き本を読んでいた
僕の席は窓際の1番後ろ
外を見ると桜が咲いていて校庭がピンク色に染まっているようだった。
「お隣さん?よろしくね!! 私の名前は小夏!!!遠山小夏!!あなたは??」
いきなり話しかけられて少し驚いている僕のことなんか気にもせず
坦々と自己紹介を始める女の子
そう、それが小夏だった。
色が白くて背が小さくて、ふわふわした髪を揺らしながら話しかけてきた。
『大宮ハル。(おおみやはる)』
名前だけ答えて本の続きを読み始めた。
「ハルくんって言うの?綺麗な名前だね!私季節のなかで春が1番好きなんだ。寒い冬を乗り越えてたくさんのお花や動物達が顔を出すでしょ?春は季節の中で1番希望に満ち溢れてると思うんだ。」
そう小夏は笑顔で言った。
『。。。』
正直いきなり何言ってんだこの女
めんどくさそうだから関わりたくないと思った。
入学式が終わって帰ろうとしたとき
彼女が話しかけてきた
「ねぇハルくん今からクラスのみんなでご飯食べ行くみたいだけどハルくんも行かない?」
『。。遠慮しとくよ』
「そんな事言わないで一緒に行こうよ?それとも何か用事があるの?」
『特にないけど。人がたくさんいるのって好きじゃないんだよね。うるさいし』
「わかった!!じゃあ2人で行こう?席が隣になったもの同士親睦を深めようよ!ね?ね?」
意味がわからなかった
人がたくさんいるのは嫌いと言ったが
どうしてそこから2人で行く方向になるのか。
『。。むり』
「お願い!!入学式の思い出の1つとして一緒に行こうよ。奢るから」
『。。1時間だけなら』
あまりの押しの強さに渋々了承した。
「やったーーーー!!!!!!ありがとうハルくん」
彼女は満面の笑みを浮かべながら両手を大きくあげて喜んでいた。
何でそんなに嬉しいのかわからなかったけど、喜ぶ彼女を見て少し可愛いと思った。