*雪女ちゃんの秘密*
「はい。」
『もしもし!雪ちゃん?』
私のことを雪ちゃんと呼ぶのはただ一人。
「はるちゃん?どーしたの?」
はるちゃんこと千春さん。
拓海のお母さん。
『拓海が...拓海が...!』
「え、、、」
頭が真っ白になった。
うしろから誰かに殴られたような衝撃。
そして落ちた携帯からは、はるちゃんの声が聞こえる。
『雪ちゃん。落ち着いて。とりあえず駅前の○○病院に来て。』
私は携帯を拾って走り出した。
足が絡まってうまく走れない。
苦しくて息が詰まる。
うそでしょ。うそだよね?拓海。
さっきのはるちゃんの言葉が頭の中で何度も流れる。
"拓海が...事故にあった。ずっと意識が戻らないの。"