*雪女ちゃんの秘密*





「はい。」



『もしもし!雪ちゃん?』



私のことを雪ちゃんと呼ぶのはただ一人。



「はるちゃん?どーしたの?」



はるちゃんこと千春さん。



拓海のお母さん。



『拓海が...拓海が...!』



「え、、、」



頭が真っ白になった。



うしろから誰かに殴られたような衝撃。



そして落ちた携帯からは、はるちゃんの声が聞こえる。



『雪ちゃん。落ち着いて。とりあえず駅前の○○病院に来て。』



私は携帯を拾って走り出した。



足が絡まってうまく走れない。



苦しくて息が詰まる。



うそでしょ。うそだよね?拓海。




さっきのはるちゃんの言葉が頭の中で何度も流れる。



"拓海が...事故にあった。ずっと意識が戻らないの。"





< 35 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop