*雪女ちゃんの秘密*





走って走って...やっと着いた。



「はるちゃん!」



治療室の前の椅子に腰掛けているはるちゃんが見えた。



「あ...雪ちゃん。来てくれてありがとう。」



はるちゃんは力なく笑った。



「ねぇ、拓海は?」



私の質問にはるちゃんはただ下を向いて首を横に振るだけだった。



「え、やだやだ。はるちゃん。」



私の目からは次々と涙が溢れた。



はるちゃんは下を向いて泣いていた。



「いやーーーーーー」



私の叫び声は静かな病院に響きわたった。





< 36 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop