*雪女ちゃんの秘密*
走って走って...やっと着いた。
「はるちゃん!」
治療室の前の椅子に腰掛けているはるちゃんが見えた。
「あ...雪ちゃん。来てくれてありがとう。」
はるちゃんは力なく笑った。
「ねぇ、拓海は?」
私の質問にはるちゃんはただ下を向いて首を横に振るだけだった。
「え、やだやだ。はるちゃん。」
私の目からは次々と涙が溢れた。
はるちゃんは下を向いて泣いていた。
「いやーーーーーー」
私の叫び声は静かな病院に響きわたった。