*雪女ちゃんの秘密*
「拓海。あなたは幸せ者ね。こんなに人が集まったのよ、あなたを思って。みんな拓海のために来てくれてありがとう。」
はるちゃんは深々と頭を下げた。
「それでね。雪ちゃん。拓海と2人で話したらどお?今日デートだったんでしょ?」
私は頷いた。
「この子すごい楽しみにしてたのよ。服選んだりして。雪美との初デートだから!って張り切っちゃって...」
はるちゃんは泣いていた。
声を押し殺して泣いていた。
私とデートの約束さえしなければこんなことにならなかったのに。
はるちゃんはそう思わないのだろうか。
息子を殺された。
そう思われても仕方が無いのに。