*雪女ちゃんの秘密*
「ひとつ聞いてもいい?」
「お、雪美ちゃんからの質問?どーぞどーぞ。」
雪美ちゃんからの初めての質問に嬉しくなった。
「なんで私なんかに優しく笑うの?私が影でなんて呼ばれてるか知ってるでしょ?実際性格も冷めてるし仕方ないけどさ。」
正直驚いた。
この子はなんでこんなに心を閉ざすんだろ。
だから俺は雪美ちゃんを見た時の話しをすることにした。
「1週間くらい前さ、体育で持久走あったじゃんか。その時、雪美ちゃんを見たんだよ。顔色ひとつ変えず走ってていつも平然としててさ。かっこいい!って思った。俺、笑うことしかできないからすげぇこの子ってさ。ハハッ」
雪美ちゃんは頷くこともなく黙って聞いていた。