*雪女ちゃんの秘密*
「まさか自分がこんな気持ちになるなんて思わなかった。高校でも笑えるなんて思わなかった。全部.....海斗のせいだからね。」
いや、違うね。
私は首を横に振った。
「海斗のおかげだね。」
さっきから無言なんだけど。
不安になって私は顔をうかがうように海斗を見た。
海斗は顔を真っ赤にして目が合った瞬間、下を向いた。
「ねぇ、雪美ちゃん。そんなこと言ったら男は誰でも期待するよ。」
なにそれ。こんなこと海斗にしか言わないのに。
「いいよ。期待しても。海斗なら。」
私から信じられないような言葉が出てきた。
自分で言ったくせにすごく恥ずかしくなった。