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理由なんてない。
本当に、ふと目に止まっただけ。
なのになんだか気になって、手にとってみる。
あたしが手にとってみたのは、濃淡のあるピンクの石でできたブレスレット。
「綺麗……」
「ローズクオーツね」
「うわっ、蛍さん!?」
い、いつのまに隣に!?
バクバクしている心臓を押さえながら蛍さんをみると、蛍さんはくすくすと笑っていた。
琥珀さんといい蛍さんといい、二人して……
「明菜ちゃんがローズクオーツを手にとったってことは、恋のお悩みかしら?」
「えっ!!」
な、なんで分かるの!?
驚きのあまり蛍さんの顔を呆然と見ると、蛍さんはあたしの手の中にあったブレスレットをとってにっこりと笑った。
「ローズクオーツはね、愛と美の女神であるヴィーナスのパワーを宿した石だって言われているのよ。
なんでもヴィーナスの息吹がピンクの結晶になったとか」
「へ、へぇ……」