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やべ、まだ持ってたのか。


慌てて戻そうとするが、琥珀はそれをやんわりと止める。



「それはファイアーオパールと言う石なんです」


「ファイアーオパール?」



聞いたことのない名前に思わず首を傾げる。



「名前の通り、この石は炎を象徴する石で精神と肉体を活発にし、意欲を高めてくれるんです。

目標を見失って鬱々しているときに身につけるといいですよ」


「目標を、見失って……」



思い浮かぶのは就職のこと。


目標も何もない。


確かに鬱々してるわ、俺。



「他にも、苦痛を伴う困難な状況に陥ったときは、逆境を乗り越える力を与えてくれるんです」


「へぇ」



まさに俺か?俺のこの状況を言っているのか?


苦痛だよ、確かに。


みんなどんどん就職決まってく中、俺だけ取り残されて……


ヤル気も何も萎むってもんだ。






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