魔法のjewelry*shopへようこそ
ピタリ、とあたしの足が止まる。
「……あんなところにあんなお店あったっけ?」
細い道にひっそりと建っているようなお店。
今まで気づかなかっただけ、かな。
何となく興味が湧いて近づいてみる。
近づいてみると、古いのかと思えば意外とそうでもなく。
……うん。
このアンティークな感じ、あたし好きかも。
「なんのお店なのかな?」
喫茶店?にしては食べ物の匂いとかしないし。
じゃあ雑貨屋さんかな?
入ろうか入らないでおこうかうろうろと迷っていると、突然中から扉が開いてビクッと肩が上がる。
「……あれ、お客さんかな?」
にっこりとあたしを見て笑ったその人に、あたしは釘付けになってしまった。
……め、めちゃめちゃイケメン。
柔らかそうな飴色の髪に青みがかった灰色の瞳。
鼻もスッと通っていて、薄めの形のいい唇がゆるく弧を描いている。
おまけに誰が聞いてもうっとりするような甘いテノールボイス。
シンプルな白いシャツと黒いズボンが眩しいほど似合っている。