それが愛ならかまわない

「サーバーの方は俺の方で何とかしておく。……それにしても篠塚、お前最近本当におかしいぞ。どうした?」


「……本当に、申し訳ありません」


 顔を顰めた井出島部長に問われたけれど、バイトを詰め込んでいたせいで疲れていたなんて口が裂けても言えない。俯いて唇を噛むしかなかった。
 倒れるのは体調不良が原因なので、自己管理の問題とは言え誰も私を責めたりはしなかったしむしろ色々心配された。でもこれは私の落ち度以外の何物でもない。
 立て続けにやらかしている以上、いくら営業成績が良くても心象は悪くなる。今まで細心の注意を払って必死に成績を積み重ねて来ただけに、このミスは痛過ぎた。


「あの、私残れますけど……」


 溝口さんが遠慮がちに手を挙げる。


「有難いけど、協力会社のしかも女性を事前に何の手続きもなく会社で一晩過ごさせる訳にはいかないんだ」


「そうなんですか……」


 立岡さんに断られて手を引っ込めた溝口さんが、こちらに近づいてくる。

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