それが愛ならかまわない

 頭が重い。身体がだるい。なのに段々と眠りから引き戻される。 
 なんでだろうと働かない頭で考えていたら、シーツの感触が普段と違う事に思い至った。
 程よく使い込まれて柔らかくなった我が家のシーツの手触りじゃない。シーツ洗濯したてだったっけ?ううん、洗濯したばっかりでもこんなに硬くならない。これはパリっと糊の効いた、まるでホテルのベッドみたいな……。


 ────ん?ホテル?


「……!」


 一気に脳が覚醒する。


 眼を開けると見慣れない天井が飛び込んできた。ブラインドの隙間からは朝の光が差し込んでいる。昨夜、上階なのをいい事に閉めなかったのだ。
 身体の下にはプレスされた……されていたはずの白いシーツ。一晩明けて皺が寄ってはいたけれど、そのしっかりとした手触りは変わらない。
そして。


「……そうだった」


 そして、すぐ横には憎らしいくらい綺麗な肌と意外にも睫毛の長い眼を持った男の寝顔。その男の腕が布団の下で私の腰に巻き付いている。
 ダブルベッドの上。当然のように、お互い裸。


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