それが愛ならかまわない
「何、どういう……あ、もしかしてミス連発しちゃったし最近仕事譲ってるしでそういう風に見えた?この間の件では会社に迷惑かけちゃったけど仕事好きだし、自分のやってる事もやってきた事にもプライド持ってるから」
まさか責任を感じて辞めようとしてるとでも思われたんだろうか。色々恥ずかしい思いもしたし反省した事はたくさんあるけれど、これでも改善出来る所は直して頑張ろうと思っているつもりなのに。
「私結構頭堅いし独りよがりになりがちだから、もう少し余裕を持って……周りを頼るというか連携を取らなきゃなあとは思ってるけど」
「……」
「嫌になったりしてないよ。辞めようなんて思った事もないし。これでも結構会社も仕事も愛してるんで」
そう。だからこそ早くローンを片付けてしまいたくてバイトに必死になったし、自分の成績に固執し過ぎて体調を蔑ろにし過ぎたのだけれど、今もその気持は変わらない。
溝口さんは黙って聞いていてくれたけれど、その必死な表情は私が冗談めかして笑いながら答えた言葉を聞いても固まったままだった。
「……もう一つ、聞かせて下さい。篠塚さん、椎名さんと付き合ってる訳じゃないんですよね?」