それが愛ならかまわない
ショウケースの後ろで小野さんと喋っていたのはショートカットで華奢な身体つきの女の子だった。私より少し歳下だろうか。他にもバイトはいるけれど、見たことのない顔だ。
「あ、莉子ちゃんおはよう。彼女、今度から入ってもらう事になったあかりちゃん。大学二年生だって」
「よろしくお願いします!」
「あ、こちらこそよろしくね」
ただでさえ無理が効かなくなっているし、年末に向かって忙しくなるのは当然なのでバイト仲間が増えるのは大歓迎だ。ハキハキした気持ちの良い返事が帰って来て思わず顔が綻ぶ。
実年齢は第一印象より若かったけれど、睫毛の長い眼に色気があって少し中性的な雰囲気の綺麗な子だった。この店の制服は濃紺と白を貴重としたシンプルな形だし、よく似合っている。
「一通りの事は説明したけど、莉子ちゃんも何かあったら教えてあげてね」
「わかりました」
「莉子さんみたいな看板娘になれって小野さんから言われてるんで頑張ります」