それが愛ならかまわない
「あら?お友達?」
「いえ、すみません、これは……」
「もしかして莉子ちゃんの会社の方?」
「へっ……?」
予想外の言葉に思わず間抜けな声が出た。
確かに今小野さんは会社と言った。ここでの篠塚莉子は就職活動中のフリーターのはずなのに。
「すみません、莉子ちゃん無理矢理働かせちゃって」
小野さんが立岡さんに向かって言う。多分その場にいた中で立岡さんが一番年上に見えるからだろう。
「えっ?いえ、あの僕達は……」
急に別方向から話しかけられた立岡さんが慌てている。
「アルバイトの子が急に連絡もなく辞めちゃって。ほら、クリスマス前じゃないですか。忙しい時期なので新しい人が入るまで莉子ちゃんに手伝ってもらってたんです」