それが愛ならかまわない
「今事情を説明しに来てくれておまけに一人で仕事してるのはあかりちゃんだし、そのあかりちゃんを莉子ちゃんの後釜にって紹介してくれたのは彼氏でしょ?ストーカーも撃退してくれたみたいよ」
「え……え?」
私の代わりにあかりちゃんを紹介?何の事だかさっぱり分からない。それにストーカーって何?
にやにやと人の悪い笑みを浮かべる小野さんに対し、私は混乱するばかりだった。
一体どういう事なのか。そもそも彼氏って誰だ。
とりあえずいつの間にか消えていたあかりちゃんは、店内に戻って小野さんに助けを求めてくれていたらしい。
「まああかりちゃんに聞く前から莉子ちゃんがフリーターじゃなさそうなのは何となく気づいてはいたけどね?」
「……っ、すみません!」
「莉子ちゃん手際良いし、うちの看板娘だったから辞められるのは結構痛いんだけどね。紹介された子が使えなかったらどうしようかと思ってたら、あかりちゃんよく働いてくれるし助かるわー」
「あの小野さん!話が見えないんで説明してもらっていいですか。あかりちゃんが、私は本当は会社員だってのを小野さんに話したんですよね?で元々それを知ってて、近々辞める私の代わりにあかりちゃんをバイトとして紹介して来た人がいるって事ですよね?」