それが愛ならかまわない

 改めて連絡する事を約束して、その場で浅利さんと別れた。
 元彼経由で得た仕事なんて、また福島さんには呆れられてしまうかもしれない。でも私を名指しで頼みたいと言ってくれた以上、この仕事は人に譲りたくない。精一杯、頑張ろう。愛想だけなんて、女だから不安だなんて思われない様に。


 地下鉄の駅へと伸びる階段を降りながら、自然と顔が緩む。足が軽い。
 今日の夜、会う予定にしている椎名に話すのが楽しみで歩くスピードがどんどん上がっていくのを自分で分かっていても止められなかった。























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