それが愛ならかまわない

「もっとこの部屋に越してくる利点とか居心地の良さとかもっとサービスしてアピールしてくれないと、契約は取らせません」


「……へえ……」


 わざとらしくにっこり笑って見せた私の意図を理解した椎名が、同じ様に唇の端を上げる。


「本当にプライド高いっていうか、素直じゃないよな……」


 そう言いながら椎名が身体を起こして私を再度見下ろす。


「まあ篠塚らしいけど」


 仕方ない。ここで可愛く誘ったり出来ずに、こういう言い方しか出来ないのが私なんだから。


「目一杯サービスするから、そういう所、俺以外に見せるなよ」


「当たり前でしょ。椎名こそ、私の前以外で眼鏡外さないでね」


 お互いの言葉に笑って、どちらからともなく、私達はキスをした。







fin.




< 290 / 290 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:315

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

interaction

総文字数/0

恋愛(オフィスラブ)0ページ

表紙を見る
ドメスティック・ラブ

総文字数/106,703

恋愛(その他)160ページ

表紙を見る
散り初め花火

総文字数/5,864

恋愛(純愛)8ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop