それが愛ならかまわない

「一応確認してみるけど、あれ急ぎだろ」


「超急いでます。今日中に承認まで持って行ってもらわないと」


「明日じゃダメ?」


「前田産業さん納期にうるさいんですよ」


「うちの定時って五時半なの知ってる?」


「知ってます。申し訳ないなあと思ってます。でも……お願いします!」


「……敵わないなあ、篠塚には」


「ありがとうございます!さすが立岡さん」


 困ったような顔を作ってその前で手を合わせて頼み込むと、立岡さんはため息をつきながら頭をかいた。
 エンジニアチームがタイトなスケジュールをこなしている中で、無茶気味の『お願い』を聞いてくれるから立岡さんはありがたい。

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