それが愛ならかまわない
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結局この日会社を出たのは午後八時近かった。まあそれでも六時からテストを開始してこの時間までに終わったのだから立岡さんに感謝しなくちゃいけない。
現状この件に関して技術職ではない私の仕事はないので早めに会社を出る事も出来たけれど、残業を強要した手前先に会社を出るのは気が引けるので私も試験が終わるまでは残っていた。
ジャケットにヒールというこのいかにもOLな格好のままバイトに向かうのはフリーターのふりをしている身としては少しまずいので、今日のように時間がギリギリになった時にはどこかで着替えなければならない。どうせバイト先に着いたら制服を着るのだけれど、お店の周辺でうっかり会社の人に会ってもバレないようにする為にも念を入れておく事は必要だった。
「あれ、篠塚ちゃん今帰り?」
会社のエントランスを抜けた所で、同じように帰宅しようとしている長嶺さんに出会ってしまった。
「金曜だってのにお互い残業か。お疲れー」
「お疲れ様です」