風が、吹いた
小さな森の、小さな家




先輩がマウンテンバイクの後ろに2台目の自転車を並べる。



その2つに倣うように、私は自分の自転車を停めた。


白を基調としたこの家の玄関は、木目がきれいにでているドアによって、温かく見える。



先輩は、鞄から取り出したキーケースの中から、古びたアンティークの様な鍵を選び出し、慣れた仕草で鍵穴に差込み、まわす。



カチリと音がして、ドアは開き、主を迎え入れた。




「どーぞ」




「…お邪魔します」




先輩の跡に続き、中に入ると、電気がぱっと点く。



まず視界に飛び込んできたのは、玄関から奥へと続く、暖色のタイル。


壁はやっぱり白くて、低めの天井には木で組み合わせた梁があり、その上からポトスの葉が垂れている。



シンプルだけど、洗練された家の内装に思わず感嘆の溜息を漏らす。
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