風が、吹いた
それは、彼女も同じだったようで。
予想していなかった言葉に、理解がついていけないらしく、目を見開いたまま、固まっている。
それを見た椎名先輩は、苛々した様子で。
「耳遠いの?どっかいけって。二度と顔見せんな。」
ともう一度爆弾を、落とした。
やっと状況を理解した彼女は、見る見るうちに目に涙を溜めて、俯く。
「そ、そんな……わたっ、私、、、し、椎名先輩が…す、好きなんです……ほ、ほかに好きな人っ、とか、い、いないんだったら……」
しゃくりあげながら、それでも彼を慕う気持ちを紡ぐ彼女は、私から見ても、本当に可愛かった。
けれども。
「低脳なあんたには話す価値もないらしいな」
不愉快そうに言い捨てて、椎名先輩は、立ち去らない彼女の横を通り過ぎて、自分が屋上を出て行った。