風が、吹いた
完璧第3者の私が、この状況に取り残されて、どうすればいいのかわからない。
封を開けてしまったおにぎりを下に置くこともできず、かといって食べることもできず、固まる私の目の前には泣きじゃくる2年生が居る。
1年の私が慰めていいものか、黙って立ち去るべきなのか。
とりあえずしばらくこのまま傷心の彼女の様子を見守ることにした。
かわいい顔をぐしゃぐしゃにした彼女はひとしきり泣き続けると、ハンカチで顔をぐいっと拭いて、きっと私を睨み付けた。
「あなたが、、1年C組倉本千晶ね……」
黙って立ち去るべきだった、と後悔しても、もう遅い。